参院選後の現実

 

From 東田剛

先の参院選で衆参の「ねじれ」は解消しましたが、そんなことより、施平蔵のねじれと、ドリルのねじれを解消してもらいたいです。

与党圧勝は予想通りでしたが、共産党躍進にはちょっとびっくり。
「共産党」の看板掲げて躍進するなんて、「コミンテルン」を自称して人気が出るようなものですからね。
「共産党」という言葉への抵抗感が薄れているんでしょうね。
「冷戦は遠くになりにけり」と、自分の老いを感じてしまいました。

そうか、オジサンなのか・・・。
ハヒフヘーゾーとか言っていた自分が恥ずかしい・・・。

さて、気を取り直して、本題。

26日、バイデン米副大統領が安倍首相と会談するそうです。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130722/amr13072210030001-n1.htm

何の用件か、本メルマガの賢明な読者なら、お分かりですよね。
「参院選後にお前がやるべきことは経済で、歴史認識や尖閣や改憲じゃないぞ。分かっているな。バイバイデ~ン」と釘を刺すつもりでしょう。

そういうシグナルは選挙前から、たくさん出てました。

例えば、キャンベルとグリーンの記者会見。
http://www.47news.jp/CN/201307/CN2013071601001992.html

グリーンは中央日報で、「安倍政権は参院選後、右傾化しない」として、その理由をこう述べています。
<1>安倍政権は、規制緩和、労働市場の流動化、法人税引き下げ、TPPなど、経済問題で忙しいはず。
<2>安倍氏は経済で失敗すれば、総裁の座を石破氏に脅かされる。橋下氏は慰安婦問題で転落した。
<3>歴史問題を巡る米国の反発を、日本政府はよく分かっている。
http://japanese.joins.com/article/926/173926.html
http://japanese.joins.com/article/927/173927.html?servcode=100§code=140

これは、評論というよりは警告でしょうね。
「こうなるだろう」ではなく「こうするぞ」ということです(特に<2>に注意)。

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●月刊三橋最新号のテーマは、
「中国大炎上~破壊し尽くされた大国の断末魔」。

http://keieikagakupub.com/lp/mitsuhashi/38NEWS_video.php

※中国の金融問題については、月末配信のQ&Aで取り上げます。

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キャンベルは、成長戦略とTPP交渉で成果が出れば「同盟関係や日本の先行きについて、かなり自信を持てる」などと言っています。
言い換えれば、「成長戦略やTPP交渉で米国を失望させたら、日米同盟も日本の先行きも保証しねえぞ」ってことです。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201307/2013071600722

キャンベルは、米中首脳会談で、オバマが日本に味方したようなことを言っています。でも、その後も、中国による挑発は、やむ気配は全くない。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130719/plc13071907250001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130722/crm13072211190002-n1.htm

その一方で、キャンベルは、「尖閣について、中国と話し合え」と言っています。
米国は「領土問題は存在しない(尖閣の主権は日本に帰属)」という日本の立場を支持していないのです。
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74364&type=10

<参考>
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/06/19/korekiyo-49/
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/05/22/korekiyo-45/

これまでの安倍外交をまとめると、こうです。
安倍政権は、日米関係を強化したくて、TPP交渉に参加したのに、歴史問題で日米関係を悪化させてしまった。
米中協調を模索していた米国にとって、日本がTPPに参加することよりも、中韓との間でもめないことの方がずっと重要だったのに、安倍政権は、それを完全に見誤っていたのです。
おかげで、TPP交渉参加の「お土産」効果は帳消しの上に、悲願の歴史問題の見直しも断念。
今後、いっそう米国のご機嫌直しに努めなければならんでしょう。

こんな最悪のタイミングで、さあ、いよいよTPP交渉に参加です。

で、どうやって日本に有利に進めるんだったっけ?
確か、途中離脱もできるっていう話だったよね?

<参考>
http://amzn.to/10XzXGK

http://amzn.to/1aao2uo

フローマンUSTR代表は、「日本には再交渉を認めない。事前には、例外も一切認めていない」「年内妥結も可能」と、相変わらず強気。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130718-OYT1T01480.htm

他方で、交渉は難航し、年内妥結は困難という話もあるので、そこに日本の活路を見いだしたいところです。
でも、残念ながら年内妥結する可能性はあります。

13カ国で合意できる基本部分だけ合意して、残りは、各国間で個別に交渉することにすればよい。
つまり、TPPを、実質的に、複数の二国間協定の束にしてしまうのです。

根拠はあります。

日本は米国との事前協議で、自動車関税などで譲歩したり、非関税障壁を巡る並行協議を行うことで合意したりしたでしょう。
何でTPPは多国間協定なのに、日米二国間だけで勝手に色々合意をしているのか。
それは、米国が、TPPを二国間協定の束にするという方式も念頭に置いているからだと私は思います。

みんなで合意できる共通事項だけ合意して、みんなで合意するのが難しい事項は二国間の個別交渉にゆだねる。
米国の狙う本丸は、日本。
その日本の交渉ポジションは、安倍外交の失敗で、非常に弱っている。
これなら、さほど時間をかけずに妥結できるでしょう。

念のために申し上げると、以上は、客観情勢を分析した上での推測や予測であって、願望ではありません。
私の議論は不愉快でしょうが、現実が不愉快なんだから仕方ありません(私だって、めちゃくちゃ不愉快なんです)。
不愉快になるのが嫌だったら、水曜日の配信は読み飛ばすか、現実を読み飛ばすことをお薦めします。

 

 

 


 

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