続 マスコミが絶対に伝えない 「原発ゼロ」の真実

セミナーで実際に投資するところをお見せしました

 

 

三橋貴明 新世紀のビックブラザーへ より

政府が閣議決定した平成25年度版エネルギー白書によると、沖縄電力を除く大手電力会社9社が
稼働させている火力発電所のうち、運転開始から40年以上経過した、いわゆる「老朽火力発電所」の割合が、
26%に達しています。

すなわち、我々が利用する電力の内、約23%を老朽火力発電所という老兵により担われていることになります。

 わたくしは「マスコミが絶対に伝えない 「原発ゼロ」の真実 」執筆にあたり、実際に中部電力の「たけとよ
火力発電所」を取材したのですが、まさに「老朽化」した火力発電所が、中電の電力供給の「最後の砦」となっている光景に驚かされました。

 

写真 中部電力のたけとよ火力発電所

武豊火力発電所2

当然ですが、老朽化した火力発電所はトラブルが多く、東日本大震災前は101件だったのに対し、2013年度には
169件に増加しました。
老朽火力発電所が厄介なのは、何しろ古いものであるため、基幹部品や制御システムなどにトラブルが発生した際に、部品調達が困難なケースが少なくないことです。

「部品を提供した企業に作ってもらえばいいではないか?」
 と、思われたかも知れませんが、何しろ納入されたのが四十年以上前なのです。

部品を提供した企業が残っていないケース、企業自体にも在庫がなく(まず、ないでしょう)、再度の生産が困難な
ケースなどが多々あり「これがやられたら、一巻の終わり」 であるシステムが、老体に鞭うちながらなんとか稼働し、日本国民に電力を供給しているのが「現実」なのです。

 無論、別に老朽化していない火力発電所にしても、計画外停止や不具合は発生します。
そもそも、電力会社が提供する電力サービスでは、発電所を順次停止し、ローテーション的にメンテナンスを繰り返して
いるのです。一度、動き始めたら永久に電力を安定的に供給できる発電所など、この世には存在しません。

 7月1日、九州電力の相浦発電所2号機(石油火力発電)に不具合が発生し、発電不能となりました。
ボイラーに水を送り込むポンプが正常に作動しなかったことが原因ですが、現時点で復旧の見通しは立っていません。

九電は復旧時期について、
「現時点では分からない」
 とコメントしており、九州地区の今夏の需給バランスが危機に陥る可能性が高まっています。

 同じく、7月1日。中部電力の碧南火力発電所の4号機でトラブルが発生し、手動で運転を停止しました。
中部電力は、稼働していない他の火力発電所を動かすため、今のところ今夏の需給には問題ないとコメントしています。
恐らく、「最後の砦」たる「たけとよ」が動き始めるのではないかと推測していますが。

 本来、築四十年を超えた老朽火力発電所が動いている方が変な話なのです。
何しろ、四十年を超す火力発電所(大抵は石油をバカ食いします)を動かすよりも、新式の火力発電(コンバイン型
ガス発電など)に建て替えた方が、コストは安く済むのです。

 とは言え、現在の日本では老朽火力が「現役」として動かざるを得ない状況が続いており、石油が無用に消費され、
主に中東へわたくしたちが国内で稼いだ所得を貢がされています。

原発を動かさないため、電力会社は、「コスト高な老朽火力発電を、コスト安の新型火力に置き換えできない」
「燃費が悪い老朽火力のために、余計な油代を中東に払っている」
 と、二重の重しを付けられているも同然であり、多くの電力会社が赤字になったのは、まさに必然です。
昨日も書きましたが、電力会社の赤字が膨らみ、技術開発投資にお金が向かわなくなると、我が国は「脱原発」は
もちろんのこと、使用済み核燃料の処理すらできなくなってしまいます。
この問題に対し、「脱原発派」から具体的な解決策を聞いたことは、残念ながら一度もありません。

要するに、再生可能エネルギーでも脱原発でも何でもいいですが、とりあえず原発を動かし、事態を「非常時」
から「平時」に戻した上で、将来のエネルギー政策について考えるべき、という話なのです。

 ところが、原子力規制委員会の審査は遅々として進まず、何となく「なし崩し的」に我が国の原発は再稼働せず、
ついに半世紀ぶりに原発ゼロの夏を迎えることになりました。
『原発再稼働へ審査迅速化を 自民提言、安全優先との両立急務
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0301N_T00C14A7EE8000/

 原子力発電所の再稼働の遅れがエネルギー政策の争点に浮上してきた。自民党は3日まとめた原発再稼働に関する
提言で安全を最優先としつつ、審査の迅速化を求めた。
経団連など経済3団体も再稼働の遅れに伴う電気料金上昇を懸念する緊急提言を出している。

 

原子力規制委員会による審査体制はなお手探りの段階。安全優先と審査効率化の両立が急務だ。

 提言は自民党の電力安定供給推進議員連盟(細田博之会長)がまとめた。
7月半ばに菅義偉官房長官や茂木敏充経済産業相ら政府に申し入れる。
 規制委は昨年7月に原発再稼働に向けた審査を開始。当初は昨年末にも再稼働の第1号が出るとみられていたが、
審査の遅れに電力会社の書類ミスが重なり、今年は約半世紀ぶりに原発ゼロの夏を迎えた。
7月に入り火力発電所の事故が相次ぐ西日本の電力需給は綱渡りの状況だ。(後略)』

 ようやく、自民党が動き出し、審査迅速化を求める提言を提出しました。

 原子力規制委員会のメンバーは、わずか五名です。
この五名の委員会による「サボタージュとしか思えいない(注:個人的感想)」審査の遅れにより、我が国は
今年もまた、綱渡りの電力サービスの下で暮らすことを強いられることになります。

 これが日本の現実です。

日本国民の皆様には「マスコミが絶対に伝えない 「原発ゼロ」の真実 」をお読みいただき、現状に対する理解を
深めて頂いた上で、是非とも「真摯な姿勢」で日本の電力供給について考えて頂ければと思う次第です。


 

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